海に落とした名前 / 多和田葉子


海に落とした名前
実はわたしは独文科の落ちこぼれ学生でして、既に4年なんですが来年卒論を書くためにテーマを決めなきゃならなくて、藁をもすがる気持ちで読んでみたわけですけれども。
2年くらい前に文學界かなんかに、町田康の東独紀行文に、多和田葉子とホテルのレストランで会った、夢中の人のようだった、って書いてあったけど、確かに夢中の人そう…という印象。
4つの作品からなる一冊ですが、前編にものすごい静寂が。
「時差」が好き。これも、ドラマチックな話なのに、すごく静か。この、私の感じる静かってなんなんだろう。よくわからないけど、一番はっきりと感じるのはそれ。で、それがとても心地良い。


でも、卒論のテーマにはしないです。たぶん。