わたし死すべし


甲川くんに恋した。キッカワ君と読む。
キッカワ君は、女友達が紹介してくれた男の子で、一目で惚れて結婚しようと思い 実家まで持ち帰った。
私が風呂に入ったり 服を選んだり 髪を結ったりするのに時間がかかっても笑って待てる性格。
私の両親もキッカワ君をとても気に入っている。両親とキッカワ君と私とで温泉地に向かう車中で 私がキッカワ君に計算ずくで内腿に触ったり抱きついたりしても 誰も何も言わない。
キッカワ君を手放すことだけが何よりもこわい。