何も感じたくない


人間の世界に少し首を突っ込んでみたけどまたすぐに一人の世界に戻りたくなった。一人は寂しい。人間の世界もまた寂しい。同じ寂しいなら一人の方が気が楽だ。人が嫌いだ。人が怖い。周りの人はみんな私を馬鹿にしていると、その考え自体が馬鹿らしいと知りながら頭から離れない。一人が楽で一番良いと思いながら、誰かの心の片隅の陽の当たらないじめじめしたところにでもいいから私を置いて欲しいと渇望する。正反対の欲が螺旋を描いて渦を巻く。